6.2 β各論:割高な時期を避ける方法 S&P 500の市場平均PERと長期米国債の利回りを比較してみる。

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出典:Dave Center

前回の記事では今すぐ投資を始めるべきと書きましたが、もちろん今すぐリスク資産を限界まで投資すべき時期と慎重に少しずつ投資すべき時期が存在します。それはどのように見分けるのでしょうか。

ところで、皆さんは国家と企業のどちらかが信頼できると思いますか。

近年はAppleやAmazon、googleといった国家並みの資産を持つ企業が生まれていること、国家(政府)はしばしばポピュリズムに負けて重要な問題を先送りにすることから、ごく一部の勝ち組企業は国家より信頼できると考える人もいるかもしれません。

 
しかし、残念がら国家(政府)は企業が持ち得ない“権力”を持っています。ウェーバーによれば、国家とは暴力を独占する暴力装置であり、政府が来年から所得税を45%に引き上げますと決めれば、対象者がいくら反対しても45%課税し、頑として払わなければ脱税という罪で警察という物理的な暴力装置を使って対象者を刑務所に入れることが出来るのです。これは企業に対しても同じで国家に嫌われた企業が永続的に利益を上げることは不可能です。
 
また、冒頭で述べたAppleやAmazon、googleといった国家並みの資産を持つ企業は全体のごく一部であることから、市場では原則として国家は企業より信頼できることになっています
 
そのため、株式の利回りと国債の利回りではリスクが高い分、株式の利回りが常に高くあるべきで、国債の利回りを下回った場合、株式はバブルと判断できますので暴落に備える必要があります。
 
実際に過去の株式と国債の利回りを比較してみましょう。

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※株式はS&P500を採用、その時点のPERの逆数を利回りとしている。
※国債は米国10年債を採用
 
ほとんどの時期で青い線=株式の利回りが高くなっていることが分かりますね。

さらに期間が長すぎて見にくいので1990年以降に限定してみましょう。

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1995年5月~と2008年6月~の一時期だけ株式の利回りの方が低くなっています。そう、ITバブル崩壊とリーマン・ショックの前にこの傾向が見て取れるのです。
※ITバブルは2000年に崩壊していますから、リーマン・ショック以上にタイミングが図りにくいバブル崩壊だったようです。
 
この表からわかるように歴史的な低金利のために私は現在の米国株はバブルではないと考えています。
 
現在、S&P500の平均PERは約25倍≒利回り約4%ですから、FRBのドットチャート通り政策金利引き上げが進行し、2020年に3%まで上昇したとしてもPERが30倍くらいまでは許容株価と判断できます。
 
これが35を超えたり、もしくは政策金利が3.5%まで上昇するようだと要注意ということですね。

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